( 7P )

 タケルがそのナイフを拾いにやってきて、僕の腹に1発蹴りを入れた

 「グエッ!!」

 僕は胃をギュウと内臓に押し込まれたような感触がして、痛みというより吐き気がして
 胃液かなにかわからない液体を吐き出した

 「ゲッホ・・・ゲホ・・ウェ・・・」

 吐き出してる内に、やっぱり痛みが襲ってきた
 動けなくてうずくまっていると、また横腹をおもいっきり蹴られた

 蹴ったのはオロチだった
 ゴロンと転がって今度は仰向けになった
 僕は恐怖と痛みで涙が出てきた
 
 「ぅ・・・ううっく・・・ひっ・・ひっく・・・」

 僕は、小さい子供みたいに涙と鼻血と鼻水で顔がドロドロになった
 18歳にもなって、こんな情けない泣き方を人前でするとは思ってもみなかった
 しかし涙が止まらない
 悔しいやら、情けないやら、怖いやら・・・で、とにかく全身の恐怖が涙になって溢れ出した

 再びオロチが近づいて来た
 また蹴られるのかと思い、僕は身をキュウっと縮こまらせた
 が、違った

 ブスリ

 痛ぇ!

 太ももに急に注射が打ち込まれた

 やばい!やばい!これなんの薬なんだ!やだよ死んじゃうのか?やだよ!!

 僕の振るえる姿を見下ろしながらオロチは言った

「死にはしねぇよ。安心しな・・・時期に気持ちよくなるぜ。
 お前の方からケツを突き出すくらいにな」

 「うるせぇっ・・・・お前等みたいなクズに犯られてたまるか・・」

 僕は涙をボロボロこぼしながらも、自分を奮い立たせようと必死で悪態をついた
 でも、本当は全身が震えていた

このままここで死んでしまうのだろうか・・?
僕の人生の最後がよもやこんな形で終わろうとするなんて・・・・
退屈な田舎に飽きて、地元に留まるように説得する両親に反抗して飛び出すように
実家を出た
あぁ、あの時言う事を聞いていれば、僕はこんな目に会わずに済んだのに・・・
ごめんなさい、お父さん、お母さん・・・
息子がこんな死に方しちゃいい恥さらしだね・・・ごめん、本当にごめん・・・

 両親の事を思うと、益々泣けてきた

 そして、急に目の前がグラリと揺れた

 あれ・・・あれ・・・ちょっと・・また、さっきみたいな感じになって・・・
 やば・・頭が・・なんだかフワフワする・・・
 これって・・・薬のせい・・?








 



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